紫水晶(アメジスト)が大きな結晶になりにくい理由

水晶の不思議

こんにちは。天然石のお店・昴堂店長の矢野です。

水晶というと六角形の結晶が印象的ですね。長い柱のような結晶もありますね。
では、アメジスト(紫水晶)で長い六角柱の結晶を見たことがあるでしょうか?

ほとんどないと思います。

透明な水晶と違ってアメジストは結晶が育ちにくいのです。

どうしてアメジストには大きくて長い結晶がないのかお話します。

 アメジストはなぜ結晶になりにくい?

普通の水晶はこんな形の結晶になりますよね。

六角形の柱の形をしています。

でもアメジスト結晶はこんな形が多いですよね。

  アメジストクラスター

アメシストもローズクォーツも水晶であることは間違いありません。

水晶はケイ素と酸素から出来た石です。
難しく言うと二酸化珪素(SiO2)の塊です。SiO2という一番小さな単位を「分子」といいます。どんな石でも分子が集まってできています。

でも二酸化珪素(SiO2)の分子が集まっただけでは水晶になりません。分子が規則正しく並んだものが結晶なのです。簡単に描くとこんなかんじです。

一つ一つの黒丸が分子です。

結晶のイメージ

二酸化ケイ素の分子が六角形の形に集まってできたの水晶なのです。だから水晶は六角形の結晶を造るんですね。

結晶の形は元になっている元素の種類によって変わってきます。 もちろん同じ元素でも育った環境が違えば違う形になる事はあります。でも 同じ元素が同じ環境で育てば同じような形になります。

ところがアメシストは水晶のような大きな結晶にはなりにくいのです。不思議ですね。

水晶とアメシストの違い

水晶と アメシストの一番大きな違いは何でしょうか?

「色」ですね。

色が違うので別の名前が付けられています。色が違うから別の石として扱われています。

あなたは「単に色が違うだけじゃないの?」 と思うかもしれません。

でもこの色の違いが重要なんですよ。

水晶は透明な物です。もともと透明だった物に色が付いている時、そこには色を着ける物質が入っています。分子の並び方が歪んだせいで色がつくこともありますが、多くは色を着ける物質が入ったせいで水晶に色が付きます。

アメシストは「鉄」が入っています。 一部の濃い黄色のシトリンには「鉄」が入ってます。 ローズクォーツは「チタン」や「アルミニウム」が入っています。スモーキークォーツやモリオンはアルミニウムが入っています。

色を着ける物質があるかないかで結晶の形まで変わってしまうのです。

さきほど結晶は分子が規則正しく並んで結晶を作ると書きましたね。

二酸化ケイ素だけが集まれば、みんなお行儀よく並んで六角柱の結晶を作ろうとします。

ところがこの二酸化ケイ素の集まりに別の物が入ってきたらどうなるでしょうか。
二酸化ケイ素と鉄は性格が違います。

「鉄」や「チタン」や「アルミニウム」は「二酸化ケイ素」にとってはよそ者です。二酸化ケイ素のルールに従おうとしません。

二酸化ケイ素がお行儀よく並ぼうとしても「鉄」が邪魔をしてしまうのです。「鉄」は二酸化ケイ素とは違うルールで動いているからです。

でも水晶の出来る環境では「二酸化ケイ素」が圧倒的多数派です。 邪魔されつつも二酸化ケイ素のグループはなんとか規則正しく並ぼうとします。そしてなんとか並んで結晶になります。でも邪魔が入るので大きな結晶に成長することができません。

だからアメシストの結晶は小さな粒の様な結晶しかできないのです。

私たちの知らないところで性格の違う原子が活動している。その結果を私達は見ているのです。 不思議な世界だと思いませんか?

でもお互いルールは違っても最終的には 一つの結晶の中に納まって仲良く共存しています。

表現の仕方が違うだけです。

さまざまな個性を持ったものたちが集まって 新たな個性を発揮する集団ができるのです。

それが水晶とアメシストの違いとなって現れるのです。

個性の違うものの集まりを 私達が手にしていると思うと楽しくなってきませんか?

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