こんにちは。天然石のお店・昴堂店長の矢野です。
ジャカレー水晶(jacare quartz)という石をご存知でしょうか。水晶の最終進化系ともいわれる面白い形をした石です。ジャカレー水晶と言われている石をみるとエレスチャルにそっくりです。エレスチャル水晶とジャカレー水晶はどう違うのでしょうか。
かつてエレスチャル水晶は骸骨水晶(スケルトンクォーツ)のことだといわれていましたが。エレスチャル水晶、ジャカレー水晶、骸骨水晶の違いはどうなってるのでしょうかお話します。
ジャカレーとはワニ
jacare(ジャカレー)とはポルトガル語でワニの意味です。
なんでポルトガル語なの?と思うかもしれません。この水晶が採れるブラジルはポルトガル語が公用語なんですね。だからブラジル語というのはありません。
英語圏ではクロコダイルクォーツ(crocodile quartz)と呼ばれることもあります。
クロコダイル=ワニ皮ではありません。
動物のワニを意味する英語です。
でも、ブラジル人はポルトガル語を使ってるのでジャカレーなんですね。
日本ではクロコダイルといえばワニと知ってる人が多いです。ワニ水晶というとあまり神秘的な感じがしないですよね。だからクロコダイルクォーツとは呼ばれません。同じ理由で骸骨水晶=スケルトンクォーツもパワーストーンの世界では使われません。
日本ではエレスチャルと呼ぶことが多いですが、最近はジャカレーも広まってきました。
エレスチャルとジャカレーはどう違う?
エレスチャルもジャカレーも骸骨水晶(skeleton quartz)の仲間。でもエレスチャルとジャカレーは全く同じ意味というわけではなさそうです。
エレスチャル水晶はパワーストーンの世界で使われる言葉です。鉱物としては”骸晶”の仲間になります。骸晶の中でも結晶の外側が結晶の内側よりも先に成長して層状になったものです。結晶を見ると年輪のように見えます。これが骸骨のように見えるということから骸骨水晶=骸晶と呼ばれるようになったのですね。
ジャカレーという場合には骸晶がいくつも重なったものでなければいけません。もともとの由来がワニの模様だからです。単独では鱗に見えませんよね。
エレスチャル水晶とは
一方のエレスチャルという言葉も混乱しています。日本ではエレスチャル水晶はいつのまにかアメジストと水晶がまざったもの。アメジスト以外にきれいな内包物が混ざったもの。スーパーセブン的なものもエレスチャルと呼ぶことも増えました。
もともとエレスチャルという言葉には骸骨水晶の意味はありません。スピリチュアルな意味なので日本に伝わったときに混乱したのは仕方のないことかもしれませんね。
でも本来のエレスチャルクォーツは骸晶でした。
こんな水晶です。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが。結晶の成長したあとが段々になっています。
ジャカレー水晶とは
エレスチャルクォーツは骸晶です。
骸晶にもいろいろなタイプがあります。結晶が一つだけのものや、二つ以上重なったものもあります。
そんな骸晶の中でも骸晶が二つ以上重なったもの。あるいはそのように見えるものがジャカレーなんですね。
これなんかはワニの背中の模様にそっくりです。
鎧水晶と言っても通用するかもしれませんね。鎧水晶はもとになる結晶の表面に鎧状の結晶が成長したものです。画像の水晶はいくつもの結晶がほぼ同時に成長が始まってるように見えます。鎧水晶とは微妙に成長の仕方が違うように思えます。でもここまで成長すると見た目にはあまり違いはなくなってきます。
こちらはエレスチャルクォーツが重なったことがよく分かる結晶です。
一つ一つの結晶が骸骨水晶になってるのがわかります。
とはいっても。アメリカではジャカレー水晶もエレスチャル水晶の別名くらいにしか思われてなくて、エレスチャルという名前のほうが一般的のようです。
エレスチャルでもかまわない?
英語圏のサイトを見ると結晶がひとつでも集まったものでもエレスチャルクォーツと読んでいます。そういった意味ではエレスチャル=ジャカレーと呼んでも間違いではありません。
でも、ジャカレーの意味はワニです。ジャカレーと呼ぶときは骸晶が集まってワニの鱗状になったものだけなんですね。
骸晶がひとつだけのときはエレスチャルと呼ぶか骸晶と呼んだほうがいいかもしれません。
でも、エレスチャルならどちらもOKなので区別が面倒ならエレスチャルで片付けても大丈夫です。
特に英語圏では”erestial”の方が一般的のようです。日本ではエレスチャルで探すと何故かアメジストと水晶が混ざったスーパーセブン的な石がヒットすることがありますが。あれは間違い。
エレスチャル発祥の地アメリカではジャカレー水晶の姿がエレスチャルとして認識されているようです。
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