こんにちは。天然石のお店・昴堂店長の矢野です。
ヒマラヤ水晶は人気がありますよね。その人気の理由は強いパワーを持つからだといわれます。古来から聖地だといわれていた場所は、現在ではパワースポットと呼ばれます。ヒマラヤ水晶はそんなパワーのあふれる場所から産まれた水晶なんです。だから特別な水晶というイメージがあるのですね。
日本人が富士山を神聖な山だと思うのと同じように。インドやネパールの人々もヒマラヤ山脈は神様の住む聖地だと考えていました。
インド側のヒマラヤ山脈にはどのような神様がいるのかお話します。
水晶の生まれ育った土地に伝わる神々の話
インドのヒマーチャル地方にはクル渓谷があります。クル渓谷一帯はヒマラヤ水晶でおなじみの場所です。クル産、マナリ産などとよばれることもありますが。クルやマナリは町の名前。クル渓谷のあたりから採れる水晶がクル、マナリ産と呼ばれます。
水晶の産地としておなじみのクル渓谷には、昔から神聖な場所とされていてヒンズー教の寺院がいくつもあります。ヒンズー教が生まれる前はデーヴァ神話に登場する神々の故郷でした。ディーバ神話の神々は後に仏教やヒンズー教の神になりました。
クル渓谷一帯では古代からナーガ信仰、デヴィー信仰が盛んでした。今ではナーガやデヴィーはヒンズー教に取り入れられて神々の一員として扱われています。そのため、この地帯はナーガやデヴィーを奉るヒンズー教の寺院が多いのが特徴です。
ナーガやデヴィーは日本では馴染みがないと思うかもしれません。でも、あなたもよく知ってる神様と関係があるのです。
龍王のもとになったナーガ
ナーガは蛇神で地底の王でした。水を支配する神様です。雨、川、雲を操ることができます。農耕民族にとっては重要な神様です。
ナーガはヒンズー教においても神として扱われ、脱皮を繰り返すことから不死の象徴として崇められています。
さらには仏教に取り入れられました。仏を守る龍王となります。龍王も水や雨を操る力があるとされています。
インドの女神・デヴィー
デヴィーとは大地母神の事です。ヒンズー教にも多くの女神が登場しますがそれらは土着の女神を取り入れた結果個性豊かな女神が出来上がったと思われます。
ヒマーチャル地方の代表的な大地母神であるチャームンダー・デヴィーは、厳しい自然環境のせいか荒々しい女神であるとされています。盾と剣で武装し魔神からも恐れられたといわれています。死後の世界の王であるヤマ(仏教では閻魔天)の后とされています。
また、ヒンズー教におけるチャームンダーは戦いの女神ドゥルガーが魔神と戦うときに作り出した分身です。さらにドゥルガーはパールバティーの化身とされています。
ややこしいと思うかもしれませんが、ヒンズー教では同じ神が姿や名前を変えてさまざまなところに出て来るのが特徴です。とりわけシヴァとその后であるパールバティーは多くの化身を持っています。
チャームンダーもドゥルガーも戦いの女神という点では似ています。でもドゥルガーが美しさを併せ持つ強い女のイメージに対し、チャームンダーは不気味で怖い女のイメージで描かれる事が多いです。
ドゥルガーは仏教では准胝観音とよばれます。日本ではあまり有名ではありませんが、ドゥルガーはインドでは人気のある女神です。
さて、勘のいい人ならもう気づいたかも知れませんね。クル渓谷のお隣にはパールバティー渓谷があります。パールバティー渓谷の名前は昔から進行されていた大地母神がパールパティーと同じだと考えられたからこの名前になったものです。
ヒマラヤには神様の伝説がたくさんあります。聖地といわれているにはちゃんとわけがあったんですね。壮観がるとますます神秘的なもののように思えてきます。
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