こんにちは。天然石のお店・昴堂店長の矢野です。
今回はクル産ヒマラヤ水晶を紹介します。クル産はヒマラヤ水晶でも比較的入手のしやすい石です。クル渓谷周辺にはいくつもの産地があり、産出量もヒマラヤ産の中では多い方だからです。
クル産、マナリ産と別々に呼ばれることもありますが。どちらもクル渓谷にある町の名前です。まとめてクル・マナリ産と呼ぶことにします。
今回はクル産ヒマラヤ水晶の魅力をお伝えします。
クル渓谷産の魅力
クル渓谷の場所
インドの北部に位置するのがヒマチャル・プラデッシュ州。東側をチベットに接する山岳地帯の多い州です。
クル(Kullu)はヒマチャル・プラデッシュ州のほぼ中央にある標高1279m、人口1万8千人ほどの小さな町です。ニューデリーからは北に約500kmの位置にあります。町の名前kulluはクールと呼ぶほうが現地の発音に近いです。でも日本ではクルと呼ばれていることが多いのでこの記事でもクルと書きます。
クルは高地にあり夏場は避暑地となりますが、冬場は雪に閉ざされます。クル周辺の渓谷はクル渓谷と呼ばれています。クル渓谷の北には水晶の産地として有名なマナリもあります。
クルもマナリはどちらもクル渓谷にある町です。2つの町は40kmほどしか離れていません。広大なインド大陸からすればおとなりといっていい距離です。したがってマナリ周辺で採れた石もクル産とよばれることもあります。
クル周辺で採れた物なのか、マナリに近いところで取れたものなのかは流通過程でわかりづらくなってるものがあります。ですからクル産もマナリ産もどちらもクル渓谷から採れた石ということでクル産と表示することが多いですね。
クル・マナリ産水晶の特徴
クル渓谷産はカンチェンジェンガ、ガーネッシュヒマールやパールバティー産のものに比べるとお値段もちょっと安めの事が多いです。
ヒマラヤ産というとうっすらとピンクやオレンジ色がかっている物を思い浮かべる人もいるかと思います。それはインド側のヒマラヤ山脈から採れる水晶の特徴なんですね。
クル渓谷産もうっすらとオレンジがかってます。それはこの土地の土が酸化鉄を含んでおり赤みを帯びた色をしているからなんですね。
赤みのある結晶もあります クル渓谷産は他のヒマラヤ水晶に比べると安いと書きましたが、その原因のひとつが透明度の低さだと思います。画像をみてもわかるようにあまり透明感がなくてにごった色をしているものが多くあります。
また、ネパール側に比べると採掘地の標高が低く(標高1000~2000mといわれています)輸送がしやすい(ネパールに比べればの話です)というのも理由のひとつです。
輸送費を抑えることができるので、カンチェンジェンガなどネパール産に比べれば安く出来るのです。でも輸送費が安いとはいってもネパールと比べてのはなしです。中国や他の地方に比べるとコストがかかってしまいます。
それだけに貴重な水晶であることはかわりはないのですね。
癒やしに最適、優しい雰囲気のクル・マナリ産水晶
「水晶は透明なもの」という印象からずれてしまうために敬遠する人もいるかもしれません。しかし透明度が低いとはいっても単に濁っているだけではありません。やわらかな優しい感じのする透明感です。優しい雰囲気を持つクル・マナリ産水晶はパワーだけでなく、癒やされる感じもしますね。
ピンクやオレンジに色づいているインド側のヒマラヤ水晶は、浄化よりもパワーチャージやヒーリングにぴったりです。とくに柔らかな雰囲気を持つクル・マナリ産は癒やしを求める方には最高の水晶になると思います。
たしかに他の産地のものにはものすごく透明度の高い水晶はあります。でも、そういったものの中には冷たく硬い印象を受ける物もあります。そういった石は近寄りがたいものを感じるときもありますが、クル渓谷産なら気軽に手にとれそうなやさしい雰囲気があります。 それに神々の住む土地からやってきた水晶だと思うと神秘的な気がします。
鉱物としての水晶を楽しむなら石の生まれた場所が神の住む土地だろうと関係ないかもしれません。精神的な部分を重要視するパワーストーンとして扱うのなら、水晶の生まれた土地の神話を知っているとまた違った楽しみ方が出来るかもしれません。 ヒマラヤ水晶にしては入手しやすく、やわらかな雰囲気を持つクル渓谷産はヒマラヤ水晶の入門用としてはうってつけだと思います。
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